1998年に施設やご自宅を訪問して美容を提供する『テラセ訪問美容』を始めてから21年以上の月日が経とうとしています。
福祉美容の仕事も経験を積めば積む程、お客様の体にかかる負担やスタッフの使い勝手を考慮して、道具も進化させて来ました。
今回の開発日記では、訪問美容で使用する 『移動式シャンプー台』 の進化について書こうと思います。
持ち運び出来るシャンプー台は、製作する数量の問題のせいか、美容用品のメーカーも作っていなくて、自分で市販の色々なパーツを組み合わせて作ってきました。
狭い場所での洗髪用に開発。
【特徴】【問題点】
前かがみシャンプーの時は安定しないため危険
1号台より、さらに軽くするためにホームセンターでアルミの軽量のシンクを見つけて、シャワー台を取り付け。前かがみ専用。
【問題点】
軽い分、安定がいまいち良くない
ホームセンターで購入したシンクに、首・あごを乗せる様に切り込み、蓋をつけて、その部分を開けると鏡面になり、ドレッサーとして使えるようにした。蓋が出来るので中にシャンプーや道具を入れられる。
以上、4号台までは 6kg までに抑えて持ち運びし易い重さにしましたが、その反面、足も細く安定が悪いのと、足の高さを調節するのにかなりの時間を要しました。
これは改良の必要ありと思い、我々の機材等の調達力にも限界を感じ、東大阪の工場の力を借りて作成することになったのが5号台です。
1mmのステンレスを曲げて溶接してシンクを作り、足は取り外ししなくて良いように、ワンタッチのネジで止められる様に製作してもらいました。
組み立て時間も少しの時間で出来、安定も抜群に良いのですが、その分、少し重くなってしまいました。
そこで、右写真のように足をたたんでコンパクトにし、キャリーで引っ張ることによって、スタッフへの負担を少しでも軽くするように考えらています。
◎持ち運びに便利な専用バッグを製作しました!
折りたたんだシャンプー台をすっぽりと収納できる専用バッグを作りました。キャリーにセットしても、手で提げても使えるように、丈夫なテント生地が使われています。
現在、現場では、お客様の介護の状態や水回り等の設備の状況により、5種類より最適なシャンプー台を選び使用しています。お客さまやスタッフが安全にストレス無く使えるような移動式シャンプー台が完成するように、現場の声を最優先に取り入れ、改良を重ねてよりよい物ができるように取り組んでいきます。